特別管理加算の対象者は、別表8の対象者であるため、週4日以上の訪問看護が算定できます。
特別管理加算は月1回を限度として特別管理加算(Ⅱ)、重症度が高い場合は特別管理加算(Ⅰ)を算定します。
特別管理加算(医療保険)の詳細
訪問看護ステーションが、特別な管理を必要とする利用者(基準告示2の5に規定する利用者)から看護に関する意見を求められた場合に常時対応できる体制その他計画的な管理を実施できる体制にあるものとして地方厚生(支)局長に届け出て、指定訪問看護を受けようとする利用者に対して指定訪問看護の実施に関する計画的な管理を行った場合には、「特別管理加算」として月1回に限り、利用者の状態に応じ、所定額を加算します。
なお、訪問の際、症状が重篤であった場合には、速やかに医師による診療が受けることができるよう必要な支援を行うことになっています。
特別管理加算(医療保険)の算定金額
特別管理加算(Ⅰ)・・・5000円/月
特別管理加算(Ⅱ)・・・2500円/月
在宅麻薬等注射指導管理、在宅腫瘍化学療法注射指導管理、または、在宅強心剤持続投与指導管理、若しくは、在宅気管切開患者指導管理を受けている状態にある者、又は、気管カニューレ若しくは留置カテーテルを使用している状態にある者
- 在宅自己腹膜灌流指導管理、在宅血液透析指導管理、在宅酸素療法指導管理、在宅中心静脈栄養法指導管理、在宅成分栄養経管栄養法指導管理、在宅自己導尿指導管理、在宅人工呼吸指導管理、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理、又は、在宅肺高血圧症患者指導管理を受けている状態にある者
- 人工肛門又は人工膀胱を設置している状態にある者
- 真皮を越える褥瘡の状態にある者
- 在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者
※真皮を越える褥瘡の状態とは
1.NPUAP(The National Pressure Ulcer Advisory Panel)分類・・・Ⅲ度又はⅣ度
2.DESIGN-R分類(日本褥瘡学会によるもの)・・・D3,D4又はD5
特別管理加算(医療保険)の算定要件
- 月1回を限度とし、特別管理加算(Ⅱ)、または重症度等が高い場合は特別管理加算(Ⅰ)のどちらか1つを算定します。
- 利用者またはその家族から電話等により看護に関する意見を求められた場合に、常時対応できる体制にあることとして地方厚生(支)局長に届け出た訪問看護ステーションであること。
- 実施に関する計画的な管理を行った場合に算定できます。
- 特別管理加算の対象者(別表8の対象者)であることが必要です。

特別管理加算の対象者は、「基準告示2の5に規定する利用者」とか、「別表8対象者」とかってあるけど、どっちが正しいの?

正確なのは「基準告示2の5に規定する利用者」だけど、結局どっちも同じだよ。
「別表8の対象者」と読み替えてもらっていいよ。別表8の中でも、重症はこっちなどと書いてあるだけだよ。
特別管理加算(医療保険)の注意点
- 留置カテーテルを使用している状態にある者とは、単にカテーテルの留置、処置のため一時的に挿入されたドレーンチューブは該当しない。また、在宅において、一度も輸液用ポートを用いた薬剤の注入をしていない場合等では、輸液用ポートが挿入されていても算定できない。廃液の量、性状・量の観察、薬剤注入、水分バランスの計測等、計画的な管理が必要な場合に算定できます。
- 留置カテーテルとは、具体的には膀胱留置カテーテル、腎ろう・膀胱ろうの留置カテーテル、胃ろうや経鼻経管栄養チューブ、輸液用ポート、PTCDチューブ、腹膜透析カテーテル、24時間持続点滴注射等です。
- 経鼻経管栄養チューブについては、留置カテーテルを使用している状態、または在宅成分栄養経管栄養法指導管理のどちらかで算定できます。
- 真皮を越える褥瘡の状態にある者に対して特別管理加算を算定する場合は、定期的(1週間に1回以上)に褥瘡の状態の観察・アセスメント・評価(褥瘡の深さ、浸出液、大きさ、炎症・感染、肉芽組織、壊死組織、ポケット)を行い、褥瘡の発生部位および実施したケアを記録し、必要に応じて利用者の家族等への指導を行うこととなっています。
- 在宅患者訪問点滴注射指導管理を算定している者に対して特別管理加算を算定する場合は、暦週(7日間)で点滴の指示を必要とし、3日以上の点滴を行うこと。点滴終了日およびその他必要な場合に主治医に速やかに連絡すること。訪問看護記録には点滴指示書を添付し実施内容を記録すること。週4日以上の訪問看護の算定は点滴をした週に限る。となっています。
Q&A
- Q特別管理加算は留置カテーテルが挿入されていれば、算定可能か。
- A
単に留置カテーテルが挿入されているだけでは算定できない。ドレーン又は留置カテーテル等からの排液の性状、量などの観察、薬剤の注入、水分バランスの計測等計画的な管理を行っている場合は算定可能である。また、輸液用のポート等が挿入されている場合であっても、在宅において一度もポートを用いた薬剤の注入を行っていない場合等は、計画的な管理を行っているとは想定しがたいため算定できない。処置等のため短時間、一時的に挿入されたドレーンチューブである場合を除き、例えば、経皮経肝胆管(PTCD)ドレナージチューブなど留置されているドレーンチューブについては、留置カテーテルと同様に計画的な管理を行っている場合は算定できる。
- Q特別な管理の中の「ドレーン」という表記が平成24年4月改定において削除されているが、ドレーンの評価が無くなってしまったのか。
- A
ドレーンは、留置カテーテルに含まれる。なお、留置カテーテルの排液の性状、量などの観察、薬剤の注入、水分バランスの計測等計画的な管理を行っている場合のみとする。
- Q特別管理加算は「指定訪問看護に関し特別な管理を必要とする利用者」の場合に算定可能とされているが、BIPAPやCPAPを装着している患者の場合、特掲診療料の施設基準等別表8の各号に掲げる者として当該加算を算定してもよいか。
- A
そのとおり。
まとめ
介護保険の特別管理加算と算定要件が微妙に違いますので、ご注意ください。
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