精神疾患患者の地域移行や地域定着を推進する観点から、長期入院後の退院患者や入退院を繰り返す病状が不安定な患者等に対して、ステーションが医療機関と連携して訪問看護を行うことを評価する加算です。
精神科重症患者支援管理連携加算(医療保険)の詳細
別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして、地方厚生局長等に届け出た訪問看護ステーションの保健師、看護師、准看護師又は作業療法士が、利用者(医科点数表の区分番号I 016に掲げる精神科在宅患者支援管理料2を現に算定する利用者に限る。)に対して、当該利用者の在宅療養を担う保険医療機関と連携して、支援計画等に基づき、定期的な訪問看護を行った場合には、月1回に限り、次に掲げる区分に従い、いずれかを算定する。
次のいずれの要件も満たすものであること。
ア 精神科訪問看護基本療養費の届出を行っている訪問看護ステーションであること。
イ 当該訪問看護ステーションが24時間対応体制加算の届出を行っていること又は診療報酬の算定方法別表第一に規定する精神科在宅患者支援管理料2を算定する利用者の主治医が属する保険医療機関が24時間の往診若しくは精神科訪問看護・指導を行うことができる体制を確保していること。
精神科在宅患者支援管理料2については、在宅で療養を行っている通院が困難な患者に対して、当該保険医療機関(別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出たものに限る。)の精神科の医師等が当該保険医療機関とは別の訪問看護ステーションの保健師、看護師、准看護師又は作業療法士と連携し、当該患者又はその家族等の同意を得て、計画的な医学管理の下に、定期的な訪問診療を行っている場合(イについては当該別の訪問看護ステーションが週2回以上、ロについては当該別の訪問看護ステーションが月2回以上の訪問看護を行っている場合に限る。)に、単一建物診療患者の人数に従い、初回算定日の属する月を含めて6月を限度として、月1回に限り算定する。
精神科在宅患者支援管理料「1」及び「2」は、精神科を標榜する保険医療機関への通院が困難な者(精神症状により単独での通院が困難な者を含む。)に対し、精神科医、看護師又は保健師、作業療法士、精神保健福祉士等の多職種が、計画的な医学管理の下に月 1回以上の訪問診療及び定期的な精神科訪問看護を実施するとともに、必要に応じ、急変時等に常時対応できる体制を整備し、多職種が参加する定期的な会議等により行政機関等の多機関との連絡調整を行うことを評価するもの。
(9) 連携する訪問看護ステーションが精神科訪問看護を行う場合には、精神科在宅患者支援管理料2を算定する。この場合、(7)のアに規定する専任のチームに、連携する訪問看護ステーションの看護師若しくは保健師、作業療法士又は精神保健福祉士のいずれか1名以上が参加している必要があること。また、連携する訪問看護ステーションにおいて緊急時に円滑な対応ができるよう、定期的な多職種会議の他、あらかじめ患家の同意を得て、当該患者の病状、治療計画、直近の診療内容等緊急の対応に必要な診療情報を随時提供していること。なお、この場合、ビデオ通話が可能な機器を用いて実施した場合でも算定可能である。
(13) 連携する訪問看護ステーションが当該患者について訪問看護基本療養費又は精神科訪問看護基本療養費を算定した場合、訪問看護ステーションが訪問を行った同一時間帯に行う「C000」往診料、「C001」在宅患者訪問診療料(Ⅰ)、「C001-2」在宅患者訪問診療料(Ⅱ)、「C005」在宅患者訪問看護・指導料、「C005-1-2」同一建物居住者訪問看護・指導料、「C006」在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料、「C008」在宅患者訪問薬剤管理指導料、「C009」在宅患者訪問栄養食事指導料又は「I012」精神科訪問看護・指導料は算定できない。
精神科重症患者支援管理連携加算(医療保険)の算定金額
精神科重症患者支援管理連携加算
加算区分 | 対象利用者 | 訪問頻度要件 | カンファレンス要件 | 加算金額 |
---|---|---|---|---|
精神科重症患者支援管理連携加算(イ) | 主治医が精神科在宅患者支援管理料2のイを算定する利用者 | 週2回以上 | チームカンファレンスを週1回以上開催し、共同カンファレンスを2か月に1回以上開催 | 8400円/月 |
精神科重症患者支援管理連携加算(ロ) | 主治医が精神科在宅患者支援管理料2のロを算定する利用者 | 月2回以上 | チームカンファレンスを月1回以上、必要に応じて共同カンファレンスを開催 | 5800円/月 |
- チームカンファレンス・・・保険医療機関と連携して設置する専任のチームに、常勤の保健師、看護師、作業療法士又は精神保健福祉士のいずれか1名以上が参加して行う会議
- 共同カンファレンス・・・チームカンファレンスに保健所又は精神保健福祉センター等を加えて共同で行う会議。
精神科在宅患者支援管理料2とは?

精神科在宅患者支援管理料って何?そんなのあったっけ?

医療機関の報酬だよ。看護ステーションが算定するものじゃないよ。
でも、看護ステーションの加算と主治医が算定する診療料の算定要件は密接に関係しているから、関係があるものだけは調べておくほうがいいね。
特にこの精神科重症患者支援管理連携加算や精神科複数回訪問加算、特別管理加算の算定要件になっている管理料などは、要チェックだね。
ちなみにこの主治医が算定する精神科在宅患者支援管理料2は6か月が限度なんだ。つまり、看護ステーションも最長6か月間しか精神科重症患者支援管理連携加算を算定できないんだよ。
精神科重症患者支援管理連携加算(医療保険)の算定要件
- 精神科在宅患者支援管理料2を算定する利用者の主治医が属する保険医療機関と連携し、当該保険医療機関の職員と共同で会議を行い、支援計画を策定し、精神科在宅患者支援管理料2のイを算定する利用者においては週2回以上、精神科在宅患者支援管理料2のロを算定する利用者においては月2回以上の精神科訪問看護を実施した場合に、月1回に限り加算し、1人の利用者に対し1つの訪問看護ステーションにおいてのみ算定できるものである。
- 保険医療機関と連携して設置する専任のチームに、保健師、看護師、作業療法士又は精神保健福祉士のいずれか1名以上が参加していること。
- 緊急時に円滑な対応ができるよう、連携する保険医療機関との定期的なカンファレンスの他、あらかじめ利用者又はその家族等の同意を得て、当該利用者の病状、治療計画、直近の診療内容等緊急対応に必要な診療情報について随時提供を受けていること。
- 当該加算イの算定に当たっては、専任のチームによるカンファレンス(以下、「チームカンファレンス」という。)を週1回以上開催し、2月に1回以上は保健所又は精神保健福祉センター等と共同して会議(以下「共同カンファレンス」という。)を開催する。
- 当該加算のロについては、チームカンファレンスを月1回以上開催し、必要に応じてチームカンファレンスを行うこと。
- 連携する保険医療機関が保健所又は精神保健福祉センター等に情報提供及び報告を行っている場合においては、共同カンファレンスに係る要件を満たすものとして差し支えない。
チームカンファレンス及び共同カンファレンスの開催に当たっては、以下の点に留意する。
ア チームカンファレンス及び共同カンファレンスにおいて、利用者についての診療情報の共有、支援計画の作成と見直し、具体的な支援内容、訪問日程の計画及び支援の終了時期等について協議を行うこと。
イ 可能な限り、利用者又はその家族等が同席することが望ましい。
ウ 支援計画の内容については、利用者又はその家族等へ文書による説明を行い、説明に用いた文書を交付すること。また、カンファレンスの要点及び参加者の職種と署名を看護記録に記載し、説明に用いた文書の写しを添付すること。
エ 当該加算において、チームカンファレンス及び共同カンファレンスは、ビデオ通話が可能な機器を用いて実施した場合でも算定可能である。
オ エにおいて、利用者の個人情報をビデオ通話の画面上で共有する際は、利用者の同意を得ていること。また、保険医療機関の電子カルテなどを含む医療情報システムと共通のネットワーク上の端末においてカンファレンスを実施する場合には、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に対応していること。
精神科重症患者支援管理連携加算(医療保険)の注意点
- 区分01-2の1及び3に規定する指定訪問看護の他に保険医療機関が医科点数表の区分番号I 012の1及び3に規定する精神科訪問看護・指導(作業療法士又は精神保健福祉士による場合に限る。)を実施している場合は、その回数を要件となる訪問回数に含めても差し支えない。
- 特別の関係にある保健医療機関と連携して行う場合は、当該加算を算定することはできない。
- 精神科在宅患者支援管理料2を算定する保険医療機関が24時間の往診又は精神科訪問看護・指導を行うことができる体制を確保していない場合であって、当該訪問看護ステーションが24時間対応体制加算を届け出ていないときは、当該加算を算定することはできない。
- 当該訪問看護ステーションと連携する保険医療機関が、往診料、在宅患者訪問診療料(Ⅰ)、在宅患者訪問診療料(Ⅱ)、在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料、在宅患者訪問薬剤管理指導料又は在宅患者訪問栄養食事指導料を算定した場合、同一時間帯に行う訪問看護基本療養費(Ⅰ)又は(Ⅱ)、精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)又は(Ⅲ)は算定できない。
- 精神科在宅患者支援管理料1又は3を算定する保険医療機関と連携する訪問看護ステーションのそれぞれが、同一時間帯に訪問看護を実施した場合は、当該訪問看護ステーションは訪問看護基本療養費(Ⅰ)又は(Ⅱ)、精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)又は(Ⅲ)を算定せず、当該保険医療機関が精神科訪問看護・指導料(Ⅰ)又は(Ⅲ)を算定する。
- 精神科在宅患者支援管理料2を算定する保険医療機関と連携する訪問看護ステーションのそれぞれが、同一時間帯に訪問看護を実施した場合は、当該訪問看護ステーションが精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)又は(Ⅲ)を算定し、当該保険医療機関は、在宅患者訪問看護・指導料又は同一建物居住者訪問看護・指導料、在宅患者精神科訪問看護・指導料(Ⅰ)又は(Ⅲ)を算定できない。

注意点がちょっとわかりづらいんだけど。。。

上から3つ目まではそのままだから、問題よね?
その下の3つは同一時間帯に訪問看護と往診などが被った場合のことだね。
医療機関からの往診や薬局からの指導と同じ時間に訪問看護をした場合、訪問看護療養費は算定できない。
残り2つは医療機関が行う訪問看護と看護ステーションの訪問看護が同じ時間になった場合だね。
医療機関が精神科在宅患者支援管理料1若しくは3を算定している場合、医療機関側が優先になるから、ステーション側は訪問看護費を算定できないよ。
もし、医療機関が精神科在宅患者支援管理料2を算定している場合なら、ステーション側が優先的に訪問看護療養費を算定できるよ。
Q&A
- Q精神科重症患者支援管理連携加算は、チームメンバーとなる職員が常勤職員でないといけないのか。
- A
常勤である必要がある。
- Q精神科重症患者支援管理連携加算は、医療機関が複数の訪問看護ステーションと連携した場合、それぞれの訪問看護ステーションで当該加算を算定してよいのか。
- A
算定することができない。
まとめ
准看護師は訪問に入ることはできますが、カンファレンスのメンバーに入ることはできないので、注意してください。
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